「はい、私はアナタの気持ちが読めるのです」

oshikun2010-05-09

 飲み会に行ってきた。
 気心の知れた少人数での飲み会である。やがて十年以上前の、私のほんのちょっと艶っぽい話題となった。しかし当人はそのことをまったく憶えていない。もしこの話にならなければ永遠に記憶として残らなかったことだろう。ただ残念ながら本人はその話を聞かされても、「なんか、そんなことあったよなぁ・・・」といった呈で、ディテールをほとんど思い出せないでいる。結局、この「艶っぽい」話は、あいまいなままで私の記憶の貯蔵庫に入りそうだ。うーむ、かなりもったいないなぁ。
 またこのブログにも話が及んだ。唯一のフィクションである『第2会議室にて』の、とある登場人物が、まるで自分のようだという。特にある場所での独白が本人の感じたままで、「おいおい、アンタはオレの頭ン中がわかるのかよ・・(笑)」なのだ。
 いやはや、これは嬉しい限りである。プロの書き手でもなんでもないのだが、ブロガー冥利に尽きる出来事だ。確かにプロフィールというか、境遇をかすかに拝借してはいるが、そのあとの記述はまったくの創作である。文中の境遇が自分と一致したことで、その後の展開に興味を持ってもらえれば、あとはビンゴが出るかどうかのお楽しみ。今回は私が行ったことのある情景を気持ちのままに描写しただけなのが、偶然にも彼の体験とシンクロしてしまったのだった。
 そんな話題をわいわいとやりながら、時は過ぎ行く。
 居酒屋の窓の外で揺れている傘の波が、やがて穏やかになっていく。
 午前様にはならないよ、とツレに連絡を入れると、乗換駅で誰かが非常ボタンを押して、10分間の運休。馬車がカボチャになったすぐあとに、自宅の最寄り駅に到着。その時も前の飲み会と同様に雨は止んでいた。
★三人サマ限定のベンチ。本文とは関係ないけど。タイトル横の写真は、とある駅の風景で今回の文中にある『第2会議室にて』では、とある描写のモデルとなっている。ちなみにこの駅については、このブログの2009年10月1日と21日で言及したことがある。