幸せの中の不幸

oshikun2010-05-13

 改札口でスイカをピッとやり、ホームに向かうエスカレーターに乗った瞬間、下の改札あたりで、若い女性がはしゃぎまくっている。そしてその歓声そのものが、エスカレーターのすぐ後ろに乗った。内容は聞きたくなくても聞こえてくる。どうやら最初の歓声は連れに向けてで、今度の歓声は携帯電話に向けてだ。
「拾ったスイカ、あったでしょ。アレいま試したんだけどね。マジ6400円も入ってたの・・、もうサイコウだよね、ねね・・・」というのである。彼女は携帯電話を切っても、連れの男性とその感動を分かち合うように、嬉しさを爆発していく。
 「もうこれで、しばらく電車代が浮くよね。チョー感動!」とかいっている。
 そのすこぶる幸せそうな彼女の顔に、私はとてつもない不幸を感じてしまった。

 ところでスイカって落とし主が届ければ、機能が停止するのだよね。