テレビで観てはいけない映画

oshikun2010-08-05

庭から昇ったロケット雲
 前から関心のある映画だったので、民放地上波で放映することを知って、よせばいいについ観てしまった。日本語吹き替えだし、かなりカットされている短縮版だろうということはわかっていたのに。
 いやはや正直ガッカリであった。ストーリーは、それなりの技術をもった元技術者であり元軍人の牧場主が、自分の納屋で地球周回軌道に有人衛星を打ち上げるためのロケットを組み立てて、それを打ち上げるというもの。小説『夏のロケット』(川端裕人)の家族版といったところだ。
 周囲の理解を得られず、しかも政府からは嫌がらせを受けつつも、家族の協力でその夢を実現するまでを描くのだが、ロケットファンにとっては突っ込みどころ満載といっていい。『夏のロケット』がそれなりに実証的であるのに、この映画にはそういった配慮はない。例えば、液体酸素の冷却はどうするのかとか、地上の一箇所でどうやって衛星を管制できるのかに答えてはいないなどなど、指折り数えても、その箇所は両手両足では足りない。
 ただ好きなシーンがひとつあった。主人公は移動遊園地の回転する遊具を買って、娘と楽しんだあと、それを加速度の訓練に用いるのだ。このエピソードでこの映画は少し救われている。
 しかしこれはズタズタの短縮版、もしかすると刻み込まれた部分においしいところがあったのかもしれない。そして思う。気になる映画は、短縮版だと予測できるテレビ放映を見てはいけないと。さて、しょうがない。いっそのこと、DVDを買ってしまおうかな。
★タイトル横の写真はどこかで手に入れた特別割引優待券で、実際に劇場には観に行っていません。