まずは博物たるべし

oshikun2010-10-28

 先日、国立科学博物館へ行ってきた。まあ日本科学未来館でかなりガッカリしたことへの口直しのつもりである。少し若い人なら、ここでリベンジなんていうかもしれないが、僕は若くは無いのでそう書かない。といいつつ、うかつにも最初はリベンジと打ってしまった。でもリベンジって何。ちょっと簡単に用いられ過ぎているよね。
 話が逸れそうなので、軌道修正、プシュー。
 科学博物館へはたぶん40年ぶりということになる。正面口を入ると、ティラノザウルスの骨格標本が待ち構えていて、何体ものミイラがあって、地下には動物の骨がコワイほど並んでいて、暗いレストランは意外とうまくて、別館には最新技術の展示があって、屋上には日時計天文台があって、などなどというのが僕の記憶だ。
 で、行ってみてびっくり。まず正面玄関がない、ティラノザウルスいない、ミイラは別のが一体あっただけ、動物の骨はコワクなく、明るいレストランはかなりまずく、最新技術の展示はどうやら別のところに譲ったようで、屋上にも昇れなかった。
 やや唖然となる僕の横で、ただフーコーの振り子だけが以前と同じようにゆらゆらと揺れていた(時間の表示は違っているし、かなりずれてたけど)。
 なんというか、展示物が建物とフィットしていない。まるで貸しホールでの期限付きイベントのようだと感じた。まずもって地下から入るというのには驚く。バリアフリーの関係か、あるいは行列を収めるためなのか、その理由はさだかではないけれど、あの導入部は興ざめといわざるをえない。
 かつての階段を上って、恐竜を見上げると本館をも見上げることになるという、ニクイ演出がなくなってしまったのは残念だ。
 展示方法も個人的にはただモノを置いて、その簡易な解説文があればいい。しかし科学未来館に対抗したのか、アトラクション的になっていて、そっちの方に目を奪われて、ただ騒いでいるだけの子どもたちもいた。
 でも、もう二度と科学未来館には行かないだろうけれど、科学博物館にはまた足を運びたいなぁ、とは思っている。いろんな演出の影に追いやられているとはいえ、やはり「博物」の質と量はすさまじいものだ。それをじっくりと味わうために、今度は開館時間に出掛けよう。そしてたぶん閉館時間にはまだ半分も見終わっていないはずだ。
 うん、そうだ。今度は一人で行くことにしよう。

★タイトル横の写真は、新館の外に展示されているラムダロケットと発射台。ラムダは張りぼてだと思うけれど、発射台の方(よく写ってないけど)はホンモノのようだ。場所は一階のエントランスの先のエレベーターの奥にあるのに、そこで見つけても、いったん外に出て、グルリと回らないとそばに近づけないって、かなり変だよ。