昔の名前で出ています。

oshikun2010-11-01

 案の定、『ヴェガ号航海誌』をつまみ食いしてしまった。
 といっても序章だけだけど。で、やたらと出てくるのが川や島の名前。それがわからないと当然なんのこっちゃ、となる。
 そこで本文に地名が出てくるたびに、本の中にある地図(シベリア河川体系図・1880年・英文)と、手元の国民百科事典の地図(1979年・もちろん日本語)を見比べて、その場所を確認することになる。
 そんなことをしていて、気がついたことがあった。
 後者に載っている大きな島が、前者の地図ではポカリと空いているのだ。場所は中央シベリア高原の北、北シベリア低地のさらに北、タイミル半島の沖合い。そこに浮かぶ大きな島々が1880年の地図にはない。
 1979年の地図で名前を確認すると、ひとつは十月革命島、もうひとつはボリシェビク島とある。いやはやなんとも直球な命名だ。
 どうやら1930年代の探検で見つかった島々だという。ということは、かの冥王星の発見よりも遅いことになる。
 ところで1979年の地図だから、ソビエト時代の地名だ。ロシア政府はレニングラードをペテルブルグに戻したぐらいだから、きっとここも今では地名が変わっているだろうなぁ、とグーグルやヤフーで調べてみると、どうやらここはそのままだ。彼らは厳寒の島々には関心がないのかなぁ。
★タイトル横の写真は、国民百科事典の地図の該当箇所。ちなみにネット上にはボリシェビク島を、ジクソンスキー島と表記しているものもある。