神保町に戻って

oshikun2010-11-06

(昨日の続き)
 ということで、重い三冊の本を持ちながら、地下鉄の九段下駅あたりまで到達した。ええっと、九段下というのは、どの線が通っていたんだっけ、と案内板を見ると、東西線半蔵門線、そして都営新宿線が通じている。私が帰るには、埼京線に乗らなくてはならない。東西線高田馬場は、乗換えが面倒だ。半蔵門線で渋谷は、ホームが遠いな。新宿線で新宿は、よく迷う、としばし考えて、結局は古本祭りにも未練があることにして、来た道を戻る。
 で、神保町交差点あたりまで戻って、人の隙間から出店を覗くと、また「世界写真全集」があるではないか、しかもどうやら家にあるやつとも、今回買った三冊とも違う巻のようだ。
 重い本を左手で持って(私は鞄や袋を地面に置くことができないのだ)、右手で棚にあったそれに手を伸ばす。
 ううう、古本漁りとは肉体労働と見つけたり。
 価格はそれぞれ千円だった。
 ここで悩む。この全集を何冊所有しているかもわからないまま、購入するのってどうだろうか。また現金なもので、三冊千円だった本を、今度は一冊千円で買うのも、ちょっとね、と思ってしまう。
 そしてそうこうしているうちに、別の出店で「現代アラブ小説全集」の揃いを5000円で見つける。そう、あのカナファニーやマフフーズの作品が入っているアレである。
 むむむむ、欲しいなぁ、と思いつつも、やや傾向が似ている「全集-現代世界文学の発見」をほとんど読んでいないしなぁ、と残りの人生と未読の本を天秤に掛けて、結果としては、ずしりと思い三冊だけをぶらさげて、駿河台の坂をすごすごと昇っていくのではありました。
(この項、続きます)
★タイトル横の写真は靖国通りの九段下近くにある、タモリ倶楽部にも登場した、とてもとても古いビル。現在も一階では喫茶店などが営業中だった。