京都へっぽこ珍道中 その八

 初めて見るもの、聞くもの、食べるものばかりの京都旅行だけれど、地下鉄に乗るというのも初体験ではないか、いや京都市内で電車を利用するということが、初めてだったことに気づく。むむむ、京都、我に遥か也。
 で、市営東西線蹴上駅へと降りていく。
 おっとっとと、ここでまた躊躇する。ご存知の通り、東京ルールでは、エスカレーターに乗る場合、そのまま立っている人は左、上る(あるいは下る)人は右なのである(いいことかどうかは別にして)。で、大阪はその逆だと聞いていた。
 では、京都はどうなのか。実際にそれを目で確かめたかったが、京都駅ではよくわからない。いろんな場所から人が集まっているからね。
 では、どうやら観光客は少なそうな、この蹴上駅ではどうだったのか、というと。
 最初、立って人は右だった。さすが京都も関西なのだ、と思った瞬間、次のエスカレーターでは左に立っている。
 ということで、私の限りなく短い時間の観察によると、
 京都ではどっちでもいいのだ、という結論に至る。でもこの結論、何の信憑性もないからね、念のため。
 たどり着いたホームは、天井まで繋がっている壁で覆われている。こういった仕様は、東京にはたぶんないと思う。
 だからホームの隅に立っても、線路がよく見えないし、電車の入線も眺められない。これは鉄ちゃんには不満だろうね。
 でも鉄分のほとんどない二人は、ただ入線してくる電車を壁越しに見ているだけだった。
 その電車だけれど、なんとボックス席が設えてある。ハイハイ、観光客だし、空いているし、しっかりとそこに座りましたよ。たった二駅なのにね。
 あっという間に、三条京阪駅に着く。そこから京阪電鉄に乗り換えることも考えたのだけれど、地図を広げると、すぐ近くなので歩くことに。イマイチ京都の距離感覚をつかめていないのでした。
 地下から出て、少しいくと、あたりの明かりを受けて、夜景の中に鴨川の川面が、光っている。川の端には学校帰りの自転車に乗った高校生。何かいい感じなんだけど、残念ながら暗すぎて写真はなし。
 「この先が先斗町なのよ」
 と突然ツレがいう。そうか、ここがあのポント町なのか。考えてみれば、40年以上思ってきたその町を、今夜初めて見るのである。ドキドキ。♪つっちゃん・ちゃかちゃちっちゃん・つっちゃん・ちゃかちゃちっちゃん♪
★今日の書き込みに関する写真がないので、昨日の三門に紅葉を重ねた写真をアップしておきます。