京都へっぽこ珍道中 その十五

 京都二日目の朝、もう10時なのだが、まだ観光客の姿は少ない。私たちはとりあえず、混む前に坂本龍馬の墓に歩いていくことにした。はい、ミーハーなのです。
 で、維新の道とやらを進むが、これがけっこうな上り坂。龍馬の墓は、霊山護国神社の旧霊山官修墳墓の中にあるのだという。で、護国神社には入らずに、向って右のチケット売り場を目指すと、なんと自動販売機なのだ。だが千円を入れても戻ってくる。但し書きには、千円の富士山の絵がある方を上にしてくれ、とある。でもそうやってもやはり戻ってくる。
 そこで横の案内所の巫女姿の女の子にお願いしようと千円を出すが、彼女は何もいわずに、外にいた私服の女の子に渡してしまう。
 おいおい、どうなっているの、と思っていると、彼女が千円の富士山の方を少し折ってから、券売機に入れる。すると見事に機械が反応してくれた。しかしその間ずっと無言の二人、もう少し愛想がよくてもいいじゃないか。しかしこの自販機、客がたくさん来たとき、どうするの。
 その券を電車の改札口みたいなところを通して入場。やっと手に入れた券もそこで回収されてしまう。そこからまた階段と坂が続く。健脚でなければ観て回れないだろう。
 ここは明治維新の志士たちが、急斜面の墓所に歴史イベントごとに分けられて、千人以上もまつられているのだとか。知らなかったな、こんな場所があるなんて。
 どうやら木戸孝允が造ったそうで、その本人が一番高いところに祀られている。そしてたぶん一番人気の坂本龍馬中岡慎太郎、そしてあの藤吉の墓は、斜面の一番下にある。そこまで昇るのもちょっとしんどかった。だから木戸さんのところまでがんばる人って、あまりいないだろうなぁ。
 2、3日前に、ニュースで龍馬の命日のイベントがここで行なわれたことを知った。彼らが食べようとして、結局食べることができなかった「軍鶏鍋」を、みんなでつついて供養するという。でも、それで供養になるのかな。
「オレにもちぃーと、食わしてくれんかのう」と出てきてしまいそうだ。
 さて、次はどこへ行こうと、ツレと相談。昼食の予約は12時半のはず、私がそういうと、ツレは「違うわ。12時よ」と返す。私は闘わず、「そうだったっけ」と了解する。 
 まあ、無難なところで、清水寺に歩いていくことに。もしかするとそこは、今回の旅行で唯一、行ったことがある場所なんじゃないかな。★向って右が中岡慎太郎、左が坂本龍馬の墓。藤吉の墓はその左に一回り小さくあるのだが、写真に入らなかった。