京都へっぽこ珍道中 その十七

 本日のランチはイルギォトーネで、12時の予約。
 ということで、その店のすぐ近くに建つ五重塔八坂の塔)を目印に歩く。当然のように道に迷いつつも、12時少し前に店へ到着。しかしこの店の名前、まったく憶えられない。
 店の人に来店を伝えると、なんと私たちは12時半の予約だという。ほらね、いったでしょ。しかし開店は12時なので、とにかくは席に着かせてくれる。そこで私たちは「待て」のポーズ状態となる。
 この店は地図で見る限り、五重塔、つまり法観寺の境内にあるように見える。事実、L字型をした店内はその土地とぴったりと引っ付いている。この両者、なにか関連があるのかな。とにかく背の高い五重塔は、店へのいい道しるべにはなっているのだけれど。
 私たちはランチでも一番安いコースを頼んだ。飲み物は恥ずかしながら私がビール。ツレがスパークリングワインと、これまたリーズナブルな路線だ。
 で、このビールなのだが、ちょっと不思議な形のグラスで現れた。円錐台形、つまりは昨日見た銀閣寺の月向台と同じような形なのだ。その上部に泡が溜まって、富士山のようにも見える。まあ、月向台なら、ほんとは冷酒の方がいいかな。でもイタリアンにビールもなんだけど、冷酒というのもかなり違う。そして問題なのは、このグラス、ちと持ちにくいのである。
 さて、料理の方だけど、ここでうんぬん言うのは、私の力量ではない。ただイタリアンによくあるしつこさがまったくない。京野菜をうまくアレンジしているといってもいいだろう。一番、「なかなかだ」と思ったのは、鶏肉を小さくロール状に巻いたもので、表面を少し焦がしている。そのきめの細かい味わいに、私はつい「うん」と頷いてしまった。
 でも、私は実をいうと、もっとコッテリ系が好きなのだ。最後のデザートも甘さを抑え過ぎで、ちょっと辛かった。
 店内はほとんどが女子の二人連れ。一組ほどが家族で来ていた。12時半を過ぎると平日なのに、テーブルはほぼ埋まっている。二つ隣の女性はストロボをたいて写真を撮ったので、注意を受けていた。
 食事を終えて、会計を済ますと、今日のシェフとおぼしき人と給仕さんが見送りに出てきてくれる。ブログ用に店舗の外観写真を撮りたくなったので、何度か振り返るけれど、彼らはずっと立っている。私は諦めて、いったん離れてから、また戻って写真を撮った。
 あとで聞くと、ツレはここの料理、大満足なのだという。やはりコッテリ好きはお腹の厚みと比例するようだ。★イタリアンながら、店舗の外観はかなりジャパネスク。しかし店内はモダーンな雰囲気です。
★すぐに近くの五重塔を見上げる。シルエットになってしまって、よくわからないけど。