京都へっぽこ珍道中 その十八

 昼食を済ませた一行(相変わらず二人だけど)は、京都東山界隈をそぞろ歩くことに。
 五重塔に沿って進むと、八坂上町(だと思う)あたりに小さな店を見つけた。店先にはカワイイ(ご存知のように私はこの表現をまず使わない)小物ばかりが並んでいる。値段もそこそこなので、土産になりそうなのを物色する。ツレにさらに店内に入って、
「わーい、カワイイ」を連発している(ご承知かもしれないが、ツレは・・・・・)。
 まあ、ツレにはここでしばらく遊んでいてもらおうと思い、私は道に戻る、と近くに変な壁を見つけた。かなりおどろおどろしい仮面だかオブシェがたくさん貼り付いているのだ。そしてそれだけでも変なのだけど、
「これは芸術品であり、著作権があります。よって無断撮影を禁じ、もし撮影した場合には料金を請求します」という意味の文言が掲げられているのだ。
 でもその文言が見えなかったのか、それとも無視しているのか、しっかり撮影している人がいるんだけどね。(もちろん私ではありません)
 なあんて、思っていたら、三人の舞妓さんが、しゃなりしゃなりと向こうからやって来るではないか。
 だから、あわててカメラを出して、
 「すみませーん、一枚撮らせてください」
 というと、彼女たちはニッコリと微笑んで、停まってくれた。
 そして私が「どうも、ありがとう」というと、
 また彼女たちはニッコリ笑い、近くの路地に消えていった。
 すぐにツレが店から出てきたので、「いま舞妓さんが通ったよ」と伝える。
 すると、大慌てで「どこ、どこ、どこ」という。一回いえばわかるって。
 「そこの路地を曲がったみたいだ」
 彼女はぴょーんとそこへ飛んでいった。追いかけて見ると、ツレは舞妓さんたちと何やら話をしている。
 そんなことで、年齢うん十歳違いの記念写真ができたのだが、それは当然自主規制ですねん。
 でも彼女はちゃんといった。
 「私たち、シロウトなんです」
 最近の京都では、このように舞妓さんを体験できるようだ。そういえば、和装のカップルをよく見かけるのも、その一種なのだろう。ホンモノの舞妓さんが午後一から街を闊歩しているはずがないもんね。★今度はぜひ素顔でお目にかかりたい。