京都へっぽこ珍道中 その二一

 高台寺を出て、またあてもなくぶらぶらと歩いていくと、円山公園に出る。東京で円山というとまったく別のところになるが、ここはのどかな小春日和といった風。
 鴨とアヒルとカラスが微妙な緊張関係の中、池とその周辺で餌にありついている。どういうわけか、外国人のシンガーがスピーカーを使ってギターをかき鳴らし、声高らかに歌っている。もちろんその前には開いたままのギターケースがある。東京だとすぐに管理人がやってくると思うけど。やっぱり京都は違うのだろうか。
 曲は「カントリー・ロード」とか「上を向いて歩こう」とかである。下手ではないのだけれど、もう少しオリジナリティがあった方がいい。
 その公園を上っていく(確かに高低差がある)と、坂本龍馬中岡慎太郎の像があるはずなので、物見遊山で行ってみることに。
 うーむ、なにやら新しい。いつ建立されたのか確認しなかったけれど、しっかりと二人は平成、少なくとも昭和の顔をしている。
 さて、この中岡くん、ドラマの『龍馬伝』や映画の『龍馬暗殺』を観る限り、決して龍馬と同志であったわけではないようだ。逆にその言動によっては龍馬を斬る覚悟のようで、このように二人して像にされてしまっては心苦しいのではないだろうか、などと昨今のメディアを見ていると、余計なおせっかいを口にしまいたくなる。
 そして近くでお茶でも飲もうかということになったが、店に入っていく一行がおばさんばかりだったので、こちらがおじさんとおばさんなのにも関わらず、それは止めて、また北へ向けて歩き出す。
 すると、左手にドラマなどで見た「いもぼう平野家」を発見。でも値段の割にショーケースが貧相だ。きっと名前を知っている客しか入らないのだろう。さらに少し行くと、大きな通りに出る、そして右に見上げるような門が待ち構えていた。ここに入ってみようかしらん。★昨日アップした「蜘蛛型クレーン」の別アングル。一本の足が建物の中にある。
円山公園の二人の像。それぞれ別の方法を見ているとのことですが、はたして。