容疑者Xの真剣

 先日、テレビで映画『容疑者xの献身』を観た。相変わらず福山はかっこいいし、堤さんの演技はやりすぎだけど、好感は持てる。
 原作はかなりヒットしたらしいけど、読んではいない。たぶん、というかきっと面白いのだろう。
 けどね、このテレビ放映の映画を観た限りでいうと、自分としては「まったくもう」といってしまいたくなるのだ。以下、当然のことながら、これからこの小説や映画を楽しみたい人は読まないでくださいね。
 たしかに犯行の日付をずらすというアイデアはいいと思う。でもそれって死体が見つかって、殺された日時が警察に分かってしまってから、犯人が心配すればいいことだと思います。どういうわけか、アパートの階下の人は物音を聞いていないし、被害者はほぼ住所不定なのだから、死体をそのまま絶対に見つからないように処分してしまえば、一件落着なんじゃないのですか。
 少なくとも、見つかっても身元不明になる状態にしておけば、大丈夫なんじゃないのかな。うーむ、それではまずいことってありましたっけ。
 しかし深読みすれば、この天才数学者は日頃から自己破壊願望が強くあって、その機会をうかがっていたということなのでしょうか。もちろん自らの天才のワザを、そこで駆使することが前提となるというふうに。
 小説は読んでいないので、何もいえませんが、映画でそこまでは表現できてはいませんよね。ただ強烈な松雪さんへの思慕の念は描かれているけれども。
 最後に最初の犯行の死体が見つかったらしいシーンも不可解です。死体といっしょに凶器を捨てる犯人っているのかなぁ。少なくとも、天才のやることではないような気がするのです。
 ということで、ファンの皆様、ごめんなさい。