沖縄回想中

 那覇のホテルから空港への道すがら、タクシーの運転手さんに話を聞いた。
 私たちが泊まったホテルも、かつては米軍の住宅地にあったという。彼は子ども時代にその住宅地に入り込んで、その中でよく遊んだそうだ。お菓子をくれる家庭もあれば、警備員に通報する人もいた。何度か軍用犬にオシリをかまれたこともあったそうだ。警備が厳しいのはゲート周辺だけで、あとのフェンスはほぼ無防備。そこで彼ら悪ガキたちはそれをやぶっては中へ遊びにいった。数日後にそこが塞がれていても、また別の穴を作って入り込んだ。現在の泊小学校の裏手あたりが穴場だったという話。 あの不思議な木もガジュマルという名前だと教えてくれた。そうじゃないかなぁ、とは思っていたけど。
 別のタクシーの運転手さんにツレは「沖縄の花はキレイですね」と話しかけたけど、彼は「沖縄はいつも花が咲いているので、みんな関心がないんですよ」と応える。やっぱり花はそこそこにあった方がいいみたいだ。