4月1日の臨時ニュース

 突然ですが、ここで臨時ニュースをお伝えします。
 昨夜、内閣府の諮問機関である名称整合性サーベランス委員会が、秘密裏に会合を持ったもようです。
 委員会のメンバーは明らかではありませんが、各界の著名人十数人によって構成されているようです。この委員会は存在する機関の名称が実態に則しているかを精査もので、今回論議の対象になったのは、以下の3機関であることが確認されました。
 その3機関とは、「原子力安全・保安院」、「原子力安全委員会」、そして「東京電力㈱」です。
 奇しくも3月11日の大震災によって、これら3機関の名称の整合性が疑わしいということが、周知の事実となっており、このことをサーベランス委員会が追認したといえるでしょう。
 まず論議の中で、原子力安全・保安院は、この国の未来に対する重要なチェック機関であったのに、いまだことの重大性を理解せず、その長たる者がマスメディアの前に登場していません。そしてほぼ一人の男をもって、それを代表させている、と判断されました。そのことに鑑み、保安院を保安員してはどうか、との意見が一部の委員から提出されたもようですが、それでは逆に一人の男に重責を担わせることとなり、かえって彼の頭部の将来性に障害をもたらすと、この意見は一笑にふされることとなりました。
 さらに論議を進めた結果、原子力安全・保安院は、より実態にふさわしい名称として、そのまんまでありながら、今後「原子力不全・不安院」と称すべきという結論に至りました。
 また原子力安全委員会についても、その名称と実態との背離の実相が事細かに論議されました。一部の関西系委員からは、原子力安全いいんかい、という案が提起されましたが、一部地域でしか通用しないのではないかとの意見もあり、一笑にふされることとなりました。
 ただ、記者の真摯な質問に対し、苦笑いで応える安全委員会の一委員の顔はその象徴として、報告書の表紙を飾ることになったといわれています。安全についてまったく責任を感じていないそのあり方や、存在すること自体が名称に相対することが明確であるとの結論により、この機関は、やはりその実態そのまんまの「原子力危険委員会」という名称に変更すべきと答申されました。
 最後に議論されたのは、東京電力㈱です。民間会社が検討の対象になることについては、まったく異議がなかったということです。ある委員は地震・雷・火事・親父の故事に倣い、地震に勝てなかったのだから、東京雷力㈱でいいのでは、と口走りましたが、他の委員すべてから無視されました。結局、実態にほぼ合致しているという点と、語呂がいいことにより、今後は「東京無力㈱」と名乗るべきと報告されるとのことです。
 この決定を内閣官房は早速是認し、名称変更に関わる政令が4月1日付けで施行されました。