仙台の南、不思議な光

 TBSのニュース23クロスを観ていたら、緊急地震速報のアラーム音が響く。そしてすぐにツレの携帯電話の警告音も鳴り出す。
 しばし揺れがなかったが、すぐにゆっくりとした横揺れが訪れた。3.11以降、緊急持ち出し袋を用意していて、寝巻きに着替えていなかったので、とにかく外に出られる準備をする。さらに揺れが大きくなる。これもふだんなら慌てるほどではないのだけれど、なにせ11日の記憶が甦ってくる。
 そこでとりあえずツレといっしょに、非常階段をゆっくりと降りることにした。3階ほど降りたが揺れは停まらない。しかしそれほど大きくはない。降りるに従ってセンサーが働いて照明が点く。10階ほど下ったところで、どうやら治まったようだが、とりあえず1番下までいくことにする。
 エントランスは、何事もなかったように静まり返っている。管理人の窓口も灯りは点いているが、人はいない。ここには午後10時までいて、いま警備員は中の部屋に詰めているはずだ。せっかく出たのだから、コンビニに行くことにした。アイスクリームとパンを買って、帰宅の道すがら、前の公園の桜が見える。
 マンションに着くと、警備員の一人が見回りをしている。ご苦労様。エレベーターは二台とも無事だ。
 部屋に戻って、ニュースを観る。TBSはすでに別のキャスターに代わっている。東電と保安院の会見。でもほとんど何もデータはないのだろう。原子炉近くからも、津波注意報のために避難しているという。宮城で震度6強、東京では震度3だった。
 仙台駅近くの固定カメラから、地震時の映像が流れる。揺れが大きくなると、ビルの向こうにたくさんのまぶしい光が見えた。特に最後の光はとても激しいものだった。カメラは南を向いている。その方向には、いま日本中の視線を集めているものが存在しているはずなのだが、はたして。