京都ハイカイ 02

 京都は雨、どうもこのあともずっと雨のようだ。
 それでも昨日はどうにか天候はもって、あの「絶景かな、絶景かな」の南禅寺山門に登った。おもしろいのは、景色がよく見えるように前の木々のてっぺんが切られているところ。年月の経過は木々を生長させ、「絶景かな」を阻害しているようだ。
 ふと見ると、参道の端っこに五体投地のようにして、じっと動かない男がいる。で、もっとよく見ると前に四角いものが敷いてある。どうやら山門の絵を描いているようだ。しかし細密画なのか、こちらからは彼の腕が動いているようには見えない。
 でっかい山門と対峙するようにその参道に伏すひとりの男、しかしその手の中にはまたひとつの山門がある。これもまた絶景なる構図ではないだろうか、なんて静寂の中、思っていたら、大阪弁の一行がやってきて、大きな声でよもやま話を始めた。これもまた京都のひとつの図ではあるのだが、われらは慌ててそこから逃げ出すことにした。