ついに正規軍に編入

 朝早く起きて、健康診断に行ってきました。何時に、と書くと「けっ」といわれそうなのでやめておきます。
 集合時間よりも30分も早く着いたのに、すでに「先」客万来。私は13番という縁起のいい番号をゲット。検診を受ける人は先着順に椅子に座って静かに待つ。ホント静かなのだ。
 で、定時にアンケート書類と「アレ」を提出。しかし健康診断は熟練のはずのオジサンが数人、アンケートに記入しておらず、窓口で女性事務員の問いに答えている。
「お酒はどのくらい飲みますか」
「そうだね。調子がいいとビール三本かなぁ。それ以上だと女房に止められるんだ」
「今まで手術はしたことがありますか」
「ああ、30年前に盲腸をやったよ」
「・・・・・」
 おお、大事な個人情報が筒抜けである。
 そして検診着に着替える。おっと、モデルチェンジしていたぞ。今までよりもやや厚めみたい。そしてまた着席して、いよいよ本日の交通整理をする看護師さんの登場。彼女が何番から何番までどこそこへ、とムツケキおやじたちに指示するのだが、それはまさに熟達のわざ。今は手元にパソコン画面があるようなので、どの検査がどれだけ混んでいるのかがわかるはず。でも数年前までは、これを目見当でやっていたと思う。
 心電図に超音波、血圧と聴力、眼底と身長体重に視力などなどが終って、いよいよ本日のメインイベント、胃部レントゲン、つまりはバリウムである。
 今日のそれはなかなかの味。スプーンですくって飲めそうである、いやほんと。だがやはり検査台の上でグルグルと回るのは一苦労。なんと三周させられてしまった。さらに逆さに吊るされたり、わけのわからないままの姿勢を取らされたりと、これはそうとうに健康でないとできない検査なのである。
 あ、そうそう、腹囲の測定と血液検査ともども、しっかりとレッドカードとなってしまった。まずお腹周りを測る人がいて、医者らしい人の話を聞いて、さらになんかそういった方面の専門家に面談して、そして受診後着替えたあとで別の階に移動、生活の指導を受けることなった。うーむ、随分と人手が掛かるものだ。
 若い女性から自己紹介されて、自分の現状について説明を受ける。もうナンタラ予備軍ではない、というので、正規軍に編入ですね、と答えると笑っていた。
 半年後にまた会いましょうと、なにやらステキな約束をして彼女と別れる。
 しかし私には半年間に少しでもやせるという難攻不落の軍事教練が待っているのだ。