マイルスにまいるス

 ということで、昨日書いたマイルスのマラソンセッションを聴いてみた。といっても、4枚全部じゃないけれどね。
 その4枚というのはご存知のように「リラクシン」、「クッキン」、「スティーミン」、そして「ワーキン」。マイルス・デイビスクインテットがメジャーなレコード会社であるCBSレコードに移籍する際に、まだプレスティッジに残っていた4枚分の契約を2日で録音してしまったという、いわば伝説のアルバムで、ほぼワンテイクなんていわれているけど、まあ伝説ですから。
 ちなみに私が所有しているは、一時ブームになった(今はほぽCDを買わないのでわからない)紙製ジャケット、略称「紙ジャケ」の4枚だが、これはその前の盤と違って、演奏前のちょっとした会話(のようなもの)もほんの一部入っている。
 例えばなんの曲だったか、レッド・ガーランドがピロロロローンと美しいピアノの音でイントロを弾き始めると、すかさずマイルスが口笛を吹いてそれを止めさせて、渋い声で「ブロック・コード」といって、なんだろ指を何本かいっぺんに鍵盤を押さえる弾き方(音楽知識皆無)を要求する。で、あー、なんださっきの方がいい感じだったのに、と思わせておいて、そのピアノにかぶさるミュートのトランペットの美しさ、ったらない。いやはやマイルスは自分の音色の引き立て方を完全にマスターしているのです。
 しかしこの紙ジャケって、クルマの中に持ち込みにくいよなぁ。