エイリアンの方が人間だ、ってアレ?

 またまたDVDで映画を観た。今度はあの『第9地区』。
 いろいろと話題になっていたから、まあそれなり期待していたけど、これはそれ以上、かなりいい線ではあるまいか。
 DVDの冒頭で人間を選ぶかエイリアンを選ぶかといった画面がユカイで、あとが楽しみ。続くのはインタビュー構成、ええっ、ずっとこういうのが続くのー、と思っていたら、ちゃんとした展開になっていく。
 で、そのほぼジェットコースター的な展開が心地いいのだ。ずいぶんと使われているだろうCGも、演出が抑制されて不自然ではない。あれだけのCGを使うなら、凡庸な監督なら、もっと派手に見せたくなってしまうだろうに。きっと落ち着いたカメラワークがいいのだろうな。
 街角の人間とエイリアンを峻別する表示は、わざわざ書くこともないほどに、もろアパルトヘイトへの皮肉。テーマはシリアスなのに、要所要所にギャグがはめ込まれている。エビと呼ばれているエイリアンが、猫缶好きというのは笑えた。
 あっそうそう、いいねえ最後のエピソードも。あれだけのことがありながら関係者のコメントが淡々としているけど、そうか、もしかしてそれもギャグなのかもね。
 追伸:あのエイリアンの顔って、絶対に『風の谷のナウシカ』のオームだ。