カプリコーンⅡ

 先日、NASAが次の有人用ロケットの概要を発表した(ようだ)。実際の発表資料には触れていないけれど、主要メディアの報道を見ると、なにやら悲しい気分になってくる。
 なぜなら発表しておきながら、ほとんど内容なんてないも同然なんだから。
 SLSと名付けられたそのロケットは2段式で、積載量は130トン、ってこれは地球周回軌道まで運べる重さなのかな。
 2017年までに無人の打ち上げ、2025年までに有人飛行って、これでは鬼も笑い死にしてしまうでしょ。燃料は液体水素、酸化剤は液体酸素、それに二つのブースターが付くようなのだが、実際にちゃんと決まっていることはほとんどない。
 かつてはアラン・シェパードの弾道飛行に気をよくしたケネディが、大風呂敷を広げて絵に描いた餅の餅さえ定かでないのに「60年代中に月までいっちゃうもんね」と宣言したのは、1961年の5月、月着陸のたった8年前だった。
 当時はまさに冷戦の真っ只中、その冷戦の熱気って変な言い方だけど、そんなもんが8年後の月着陸を実現させてしまったわけだ。
 省みて、スペースシャトル無き後、有人用ロケットを持たないアメリカのなんたる情けなさ。それも情けないことを気づいてないという情けなさなのだ。
 しかし今回の報道でなかなかと思ったものがある。それがロケットを描いたCGだ。白と黒のペインティングはまさにサターンVを思わせる。これも作戦の一つだろう。ブースターはそのまんまスペースシャトルのものかも。まあ大きさを比較していないので、なんともいえないが。
 こんなにちゃんとしたCGが作れるだから、いっそのことキャメロンあたりに頼んで、地球周回軌道ぐらいのミッションの記録を、でっち上げてみたらどうだろ。もともと若い人からはアポロ計画そのものが疑われているんだから、いいんじゃない。先端に乗っかる予定のオリオンもアポロの寸違いだけどそっくりだし。
 あっ、そうか。別の番組でいっていた。キャメロンは火星飛行のアドバイサーをしているようだ。なるほど、ね。もしかすると、もしかする、かも。