30年後のBGM

 沖縄近くを漂っていた台風15号は、高気圧が空けてくれた隙間から北上中。NHKも今夜は終夜放送とあいなったようだ。
 そのテレビ画面の天気図といっしょに流れる音楽は、またもやキース・ジャレットである。大震災後の数日間、福島第1原発からの放射線と大地震の余震に身構える夜も、やはりキース・ジャレットとともにあった。
 先ほど流れていたのは、たぶんお馴染みの『ケルン・コンサート』である。学生時代もカセットテープにダビングして、サークルBOXで聴いていたが、それが30年!後、原発事故後の日々に流れるとは思ってもいなかった。
 東京地方もいよいよ大粒の雨が降り出している。近畿や名古屋の被害が気になる。
 キース・ジャレットの優美なピアノの音には、ちゃんと彼の雄たけびが混じっている。これを聞き逃すまい。