3分間の決意

 昨日の朝日新聞夕刊に、ビクトル・エリセ監督に関する記事が掲載されていた。
 『3.11 ア・センス・オブ・ホーム・フィルムズ』の中の一編である、彼の短編『アナ、3分』に流れる尺八に似た音楽が、タルコフスキーの『サクリファイス』で使われたものと同じだという。
 何日か前にテレビの番組で『アナ、3分』が紹介されたとき、もしかするとと思っていたが、ドンピシャだったわけだ。
 『アナ、3分』では、アナが演じる主人公が原発への異議を語ったあと、王女アンティゴネーとして舞台で自らの主張の中、死を迎える(はずだが、映画は舞台に向かうアナまでしか描いていない)。『サクリファイス』の主人公も、核戦争の恐怖の中に身を投じることで、その到来を防ごうとする。二人の監督に共振するものが確かにある。
 ただし新聞の「核戦争の悲惨さを描いた遺作『サクリファイス』・・」という説明は、いかがなものか。