名付け親のセンス

 ある具体的なモノをどういう名前で表現するかは、慣例に従うのが普通だと思うけど、これはちょっといただけないなぁ。というのも数日前に「情報衛星発射成功!」などという報道を目にしたからだ。
 おいおい「情報衛星」とか「情報収集衛星」とはなんとも変な名前、ネーミングではあるまいか。最初のスプートニクとか「おおすみ」なんかと違って、近年の人工衛星にはずっと前からちゃんとした役割があって、その大きな部分が情報の収集だったはず。地表の情報や宇宙の情報を集めたり、通信衛星も情報をやり取りするわけだから情報衛星といっていいだろう。
 なのに、この期に及んで、あえて情報衛星などというトートロジーにも似た名前を付けるのはどういったセンスなのか、と思いつつも、まあ魂胆はミエミエなのだった。
 なにより今回の情報(収集)衛星は、それらの情報を収集する衛星とは根本が違う。早い話が偵察衛星であり、軍事衛星であり、スパイ衛星といった類いなのだ。しかしそういってしまうといろんなところにビシバシと抵触するので、このネーミングとあいなった次第。
 マスコミの方もいちおうそんなことはわかっているので、本文には少しだけそのあたりについても触れているけど、それだったらタイトルにそれを持ってくればいいのに。
 個別の衛星の名前である光学4号というのも、いかにも苦しい。いっそ覗き見衛星とか、ピーピーング4号とかにした方が人気が出たんじゃないかな。