アマゾンバスの運行状況

 ついついアマゾンを利用してしまう。以前はある一定額以上を買うと送料が無料となったと記憶しているのだが、現在は文庫本一冊でも無料のようで、こうなると一般の書店には置いていなさそうな本は、まずアマゾンで検索となってしまいかねない。これでは街角の小さな書店は太刀打ちできないなぁ、と当事者ながら考えつつ、ふと昔々読んだ本のことを思い出した。
 確か経済学者の西川潤さんの文だったと思う。さらに『資源ナショナリズム』(ダイヤモンド社)だったはずだが該当箇所が見つからない。それにはこんなことが書いてあった。
 とある大都会にはその街固有の路面電車網が整備されていて、市民はそれをほぼ唯一の交通手段として使っていた。ここに一つの大自動車メーカーが眼をつけた。彼らは自らのバスを用いて採算度外視のバス路線を作ったのだ。当然、人々の足は路面電車からバス路線に移ることになる。路面電車の会社はすぐに経営破綻してしまい、この大都会から消えていった。それを確認して大自動車メーカーは、バス路線の会社を撤退させる。残ったのは、自動車を求める巨大な市場だった。
 送料無料がバス路線でなければいいのだが。いやそれ以前にその機能は十分にはたしているか。