会田さんのことを忘れていた。

 10月4日に酉島伝法さんの創元SF短編賞受賞作『皆勤の徒』について書いたら、なんとご本人のツイッターでそのことに触れていただいた。まさに恐悦至極なのです。
 で、その下の欄を見るとなんとあの!会田誠さんがツイッターを始めるとリツイートされているではないか。
 うーむ、不覚にもあの!会田さんのことをしぱらく(失礼)忘れていた。怖くてまだやっていないけど、会田誠と画像検索すればきっとけったいな(失礼)モノが、ぞろぞろと出てくるに違いない。
 さて、時代は十数年前に遡る。どーいうわけか会田さんのファンという知り合いがいて、いっしょに青山の個展に出掛けることとあいなったのだが、着いて早々にまずはビックリ。なんとその入れ口がお尻のア×なのだ。
 数メートルはあるかと思われるお尻の中央にでかでかと丸い×ナがくり貫かれていて、跨いで入るとそこはスロープになっていた。気をつけないと自分のお尻を床に叩きつけてしまうのだ。そうして度肝を抜かれつつ、コロリと転がって中に入り、振り返ればそのアナは大きな人の口であり、スロープはそこからの吐しゃ物になっているのだ。いやはや。
 そして狭い会場には先客が、いや会場の設営をしている人か、と思いきやそれが会田さんご本人。まあどうぞと、意味不明にパック酒を勧められ、これをツツツーとストローで飲んでは、またよくわからないままにチリ紙で作った花を壁に飾ったり、何やらを描き込んだりして会場を後にした。(ちなみに知り合いはしっかり会田さんとしゃべっていた)
 いったいあれはいったい何だったのだろうか、と今頃になって思ったりする。もちろん会場全体は会田さんの作品である。そしてそれに加えて会場に来る人すべてが、そこで何らかのパフォーマンスをすることになる。吐しゃ物といっしょに落ちてくる客に酒を飲ませて、一番楽しんだのはもしかすると会田さん自身だったのかもしれない。
 ほんとはここで会田さんの絵についても書きたかったのだけど、長くなったのでまた今度にしよう。