ヤングはまだいなかったんだけど

 BS−TBSでイーグルスの『ホテル・カリフォルニア』に関する番組をやっていた。昔々はただ軽快なラブソングだとばかり思っていたけれど、実は浮かれ気味の70年代の雰囲気をけっこう痛烈に批判する歌詞だったのですね。
 学生時代に買ったLPレコードがあったのでライナーノートを読んでみたけど、水上はるこさんはそんなことどこにも書いていない。ただプロコルハルムの『グランド・ホテル』を連想させるって、はいはい。
 番組では当時のメンバーの写真が何度も映し出されていて、その中の一枚のメンバーの肩に、なんとアポロ11号のワッペン(古い言葉だけど今は何ていうんだっけ)が貼ってあったのだ。もちろん11号の月着陸船は名称はイーグルで、ワッペンの絵も月に降り立つ鷲を描いたもの。まあグループ名の由来なんかじゃなくて、ただのしゃれだと思うけど。
 で、この番組は現地での取材もしっかりとしている。確かCCRを取り上げたこともあったはずで、なかなか見ごたえがあった。
 でも低レベルのロックファンでも気がつくミスが一つ。
 イーグルス以前の音楽状況を説明する際、1969年のウッドストック・コンサートにクロスビー・スティルス・ナッシュ・アンド・ヤング、つまりCSN&Yが参加したとして、彼らのアルバム『デジャ・ヴ』を映していたんだ。しかし実際に参加したのはCS&N、早い話ニール・ヤングがメンバーになる前で、『青い瞳のジュディ』なんかを歌っていたんだよね。でも番組で流れたのは『ヘルプレス』って、それってニール・ヤングの曲じゃありませんか。いい番組なんだけど、もう少しちゃんと調べて欲しかったなぁ。
 
 ちなみに『青い瞳のジュディ』のジュディさんはジュディ・コリンズさんのこと。日本語タイトル『青春の光と影』がかなりヒットしましたが、グラハム・ナッシュさんが彼女のことが大好きだったとのこと。つまりかなり恥ずかしい。日本でいえば桑田さんが竹内マリアさんへのラブソング歌っちゃったみたいな、いや違うか。