自転車に乗っていた名付け親

 ウチの近くを流れる荒川の少し上流の方で、アザラシがまた泳いでいるとの報道。ニ三日現れては消えて、また一昨日ぐらいに今度はサービス精神いっぱいに、日向ぼっこまでしてくれたようてある。
 この機を逃さんとばかりに地元の志木市は、本人の承諾なくこのアザラシを志木あらちゃん命名し、特別住民票を授与したとのこと。
 このあらちゃんの出没地点の秋ヶ瀬取水堰の手前あたりは、うまい具合に両岸が志木市に含まれている。あと600メートル上流だと向こう岸が浦和市になる。そしてやはり600メートル下流だと浦和市朝霞市の領域だ。つまり出没地点によっては、自治体同士が彼(彼女?)を奪い合うことになったかもしれないのだ。遡上を阻む堰が志木市を一瞬ではあるが全国的に有名にさせたということになる。単に「あらちゃん」ではなく「志木あらちゃん」としたこともニクイ。
 で、その特別住民票の発行者である市長の名前を見てちょっと驚いた。彼こそかつて学生市議として有名だった、あの長沼明さんではないか。
 彼は埼玉大学の学生のまま(といっても7年生)市議選に立候補し当選。その骨のある活動は1983年発行の『議会は自転車に乗って』(冬樹社)という自著に綴られている。彼はそのタイトル通り自転車で議会に通っていた(それがその後のとんでもない事態に繋がっていくのだが、それはまた別の話)。
 それからもう30年近くが過ぎた。その後の長沼さんはいったいどのような活動をしてきたのだろうか。ちょっと調べてみたい気がしてきた。うん、これももちろんあらちゃん効果に違いない。