完売御礼の残り物ゲット

 久しぶりに『群像』を買ってしまった。というのも、たまたま講談社のホームページを見ていたら、群像の表紙にベッタと「完売御礼」なんぞの文字が載っかっていたからなのだ。もちろん完売の理由は高橋源一郎さんの380枚一挙掲載「恋する原発」に違いない。
 で、なるほどと思いつつ本屋に入ったら、ちゃっかし一冊だけ残っているではないか。そうだよね、純文学の雑誌なんてもともと一冊しか置かない本屋さんが多いんじゃないかな、なんてことに思いは至らず、心はまさに限定品ラブリーのオバサン状態だったのである。
 で早速ご購入。パラパラと見るといつもの高橋節全開の様子、といっても私が読んだのは大昔の『さよならギャングたち』と『虹の彼方に』と、それからええとあと少しだけ。どうやら原発もほとんど出てこないみたい。でもいいのである。本日テレビ放映していた『秋刀魚の味』もまったく秋刀魚が出てこないみたいだし。
 この『恋する原発』というタイトルで連想するのは、フツーの人だったら香港映画の『恋する惑星』だろうね。でも私の場合は原発の方に反応して『笑う原爆』となってしまう。これは知る人ぞ知る長谷川和彦監督の『太陽を盗んだ男』の最初に予定されていたタイトル(だったはず)だ。
 そうそう、あの映画は原発に忍び込んだジュリーが核燃料を盗み出して原爆を作るという話。それを考えると4号機のプールなんか比較的手薄なんじゃないかな。防護服を着て海からボートで接近して・・・、いやいやそんなことがないようにしっかり警備をお願いしますよ。