ハリウッドパターンのソビエト映画

 で、早速ネットでタルコフスキーが脚本で参加したという、『特攻大戦略』を観てみました。
 アナトリー・ソロニーツィンらの落下傘部隊数人は敵占領地に降下、その土地のパルチザンと協力してドイツ軍の情報を得るために、アナトリーは1人ドイツ軍将校(ゲシュタポ?)に変装して敵の陣営深く入り込む。その土地はなぜか相当に牧歌的で、ドイツ軍将校たちは海岸で海水浴を楽しんだり、自転車レースを開催したりとはしゃぎ回っている。
 そんなこんながあって(実はよくわからない)、アナトリーは軍事機密の入手に成功する。なのでチャッチャと逃げればいいのに、どーいうわけがその後アナトリーはドイツ軍に銃口を向ける。しかし当然のことに多勢に無勢、僅かに生き残ったソビエト落下傘部隊がドイツ軍の魚雷艇を奪取して脱出し、なんと岸辺で捕虜となっているパルチザンの女の子に向けて魚雷を放つ。そして追撃に来た飛行機も打ち落として対岸の友軍陣地へと向かうが、艇の旗のせいで砲撃を受ける。それを辛くもかわしつつ、どうにか無事に生還する、というストーリー、らしい。
 その背景の風光明媚さから映画の舞台は黒海沿岸、それもオデッサあたりなのかなぁ。クリミア半島の先端あたりかも。
 あの頃はハリウッド映画でも大流行だった「潜入、破壊(あるいは情報ゲット)、逃走」というパターンのまさに典型ですが、タルコフスキーはいったいどのあたりを書いたのやら。