12分のタイムラグ

 2、3日前、午後の4時過ぎにツレと出掛ける。最寄の駅で電車に乗って、目的地に着いて、おばあさんはデパ地下へお買い物に、おじいさんは本屋にひやかしに、で、いつもの場所で落ち合うことに。時計を見ると20分だから、5時ジャストを集合時間に決める。
 やはりひやかすだけとはならずに文庫本を2冊購入して、最上階の美術書を眺めていると、時計はもうすぐ5時、でもテキはいつも遅刻するから、連絡して時間を延ばそうとケータイを取り出すと、なんと画面の表示時間は5時12分、アレレレ、買ったばかりの時計が十数分も遅れている。しかもまずいことに遅れていながらも、しっかり動いていたことだ。最初はどっちを信じていいのかちょっと迷ったけど、やはりケータイということになる。
 で、慌てて集合場所に向かうが、やはりテキからはデパ地下で長蛇の列ができていると電話が入り、やっぱり私が待たされることになる。
 しかし12分程度遅れて動いている腕時計を見つつ、なにやら不思議な気分。考えてみれば、駅で11分発の電車に乗ったのだから目的地に着くのは30分過ぎ、少し歩いてデパートの入り口で時計を見たのだから、そのときは33分ぐらいにはなっていたはず。でもそのときは20分に見えたのだから、失われた12分は電車の中でのことになる。
 うーむ、この時計は20分の乗車時間の中でどのように停止したのだろうか、ちょっと気になってくる。なにかSFのネタになってくれないかな。
 ちなみに偶然にも出掛けたデパートは1週間ほど前にその時計を買ったところ。なので早速売り場に行くと、新しい時計に代えてくれた。まあ当然のことだけど。ほんの少しだけ惜しい気がした。