2時間以上のCM

 映画なんて観てないもんなぁ、と書きつつも『ベンジャミン・バドン』のテレビ放映は、ツレに誘われてつい付き合ってしまった。個人的には予告編CMで判断する限り、まずは自分から進んで観る作品ではないけどね。
 で、つまらなかったら途中で止めればいいや、という具合にテレビの前に座ったけれど、これがなかなかいい。
 老人として生まれ(でも形態は新生児)、赤ん坊として死んでいくという設定自体は結局好きになれない。でもいろんな細かい部分がとてもおもしろいし、うまく作られていると思う。最初が1919年の第1次大戦終戦直後という、現代史お勉強物語という側面も厭味はない。ヨットで遊んでいると、遠い向こう岸からアトラスロケット(もちろんアメリカ最初の有人人工衛星マーキュリー計画)が打ち上がるシーンが美しい。これだけで好きになる。単純なもんだね。そう、『フォレスト・ガンプ』をふと思い出させる。いろんなことを思いっきり詰め込んでいて、その詰め込み方の勢いも好きだ。
 でもこういった設定も主人公の親が結局金持ちだったことから成立するのであって、もしこの映画の主題が人生が何たるかを謳ったり、問うたりすることだとしたら、その前提に弱さがあるんじゃなかろうか。
 なんて書いておいて、調べてみたらテレビ放送は少なくても3分の1はカットしているみたい。こうなってくるとやっぱり全篇が観たくなる。でこれをまた調べると、なんとフツーのDVDなら1000円以下で買えるって、テレビ放送はもしかするとコレの広告だったのかなぁ。