懐かしいさいっぱいの未来

 ということで、またまた昨日の続き。
 『宇宙からの脱出』のプログラムを探してきて、ツラツラと読むと、いやはやその書き手は映画にはくわしくても、署名のある原稿以外、宇宙開発はまったくの素人という感じだった。夢多き中学生相手でもこれはイカンぞな。
 例えば「かいせつ」と「ストーリー」は同じ人が書いたんだと思うけれど、ともに宇宙ステーション(つまりはスカイラブ)に向けてヒューストンから打ち上げられた、とある。いったい、いつそこは発射基地になったんだろうか。
 ただし記名原稿は、ちゃんとしている。
 この映画は宇宙空間での致命的なアクシデントを描いたものだけど、公開当時はまだソユーズ1号の事故しか発生していなかった。「アポロ12号までは無事だが……」なんていう文章もある。そうこの映画の公開直後にあのアポロ13号を経験することになる。もう少し公開が遅ければ、宣伝の仕方によればそこそこヒットしたかもしれないなぁ。
 ちなみにこのプログラム作成時点では、アポロは20号まで飛ぶことになっていて、なんと1980年代には火星への有人飛行が計画されているようだ。まさに未来は過去のためにある。
 80年代といえば当時としたって、たった10年〜20年先に過ぎない。そして結果はご存知の通り。アメリカは10年以上あとにやっとスペースシャトルを飛ばして、ただ地球周回軌道を回るのみで、火星はおろか月への再訪も果たしてはいない。あーあ、あの当時の未来が懐かしい。