教授の信頼性

 坂本龍一さんという人を、勝手にけっこう信頼していたんですよね。だから少し意外というか、軽くショック(はい形容矛盾です)なのかな。そう、あの日産リーフのコマーシャルです。まあタレントなのだから、出ていけないことなんてことはまったくありません。でもほんとうに自分でお金払って、リーフのオーナーになったんですか。まあそれが演出でも、ホントでもいいことにしましょう。問題はそのあとです。
 ちなみにコマーシャルの出演にはふたつのタイプがあると思います。タダ単に出るだけというやつ。それからもう一歩踏み込んで、その宣伝対象に自身が直接的な関与をするというやつ。後者はまたいろいろと段階がありますが、自分でその「オーナー」になって褒めちぎるなんていうのは、その最高段階といえます。
 件のコマーシャルで坂本教授は、日頃から自分のクルマがCO2を出していたことを気にしていたといいます。でも日産のリーフならまったくゼロだっていってます。いい切っています。確かに走行時はそうでしょう。タイヤが摩擦で擦り切れますが、それには目をつぶりましょう。
 でも当然のことに電気自動車は充電が必要です。充電する電気を発電するためには、現在のところCO2の発生が欠かせません。そんなことは十分にわかっているはずの坂本教授が、そんなコピーに乗ってしまったことが、ちょっと信じられないのです。
 もちろんエネルギー効率の観点から、ガソリンよりも電気のほうがCO2の排出量が少ないのかもしれません。でも問題はそういった前提もないままに、電気自動車がCO2を出さないといったことです。
 確認はしてませんが、この日産リーフのコマーシャルには、他のタレントも出ているようです。でも彼らはいいんです。
 要は日頃の発言との整合性をどうつけるかということなのです。
 たぶん、これからの坂本教授の発言には、もう関心を持たないかもしれませんね。