月面でのうさぎ跳び

 先日の的川さんが朝日新聞に書かれた文章から、ふわふわといろいろ思いつくのは、やはりまたまた映画『2001年宇宙の旅』のこと。宇宙ステーションやディスカバリー号内部での人工重力が、映画のようにならないみたいだということは、この前に書いたけれど、月面での人間の動きも、映画とはまったく違っていたよね。
 アポロ11号以降の月面活動のビデオを見ると、まず一歩一歩着実に歩いているってふうではまったくないのがわかる。そう、幼稚園児がはしゃいでいるみたいに、ピョンピョン跳ねながら「歩いている」のだ。まあ、実際にちょっとぐらいは、はしゃいでいるんだろうけれどね。
 1969年の生中継の際には、この動きにとてもビックリしたものだ。きっと誰もがこんな歩き方を予想していなかったんじゃないのかな。
 そういったことで、『2001年宇宙の旅』の月面歩行描写は、実際とはチト違っていたのだ。キューブリックもアレを見て、地団駄を踏んだかもしれないが、まあ映画が月面着陸に遅れることはできなかった事情もあるようなので、そのあたりは微妙だろう。
 ところであの時代、運動部のみんなは基礎体力をつけるなんてことで、うさぎ跳びっていうのを日がな一日、ピョンピョンやっていた。あれがほんとうは身体に悪いとわかったのは、かなり経ってからだ。で、この運動を月面でやってみたらいい。ねえ、月でうさぎ跳びなんて再考じゃないか。で、いったいどれぐらい跳ぶのだろう。たぶん月面なら、身体に悪いことはないと思うよ。たぶん。