悪い魔法使いは何をしたのか。
ゆえあって、昔のことなど思い出す。
いまを去ること40年は昔の話。いやもっと昔なれども、めんどくさいので、まあそんくらい。
横浜市戸塚区といってもその小学校はなんと分校。クラスメイトもとびきり少なく、なんと十数人。そこで行われてた授業の一シーン。小学2年のときのこと。
「それではみんなで物語を作ります」と先生の声。
「わーい、わーい、物語だ。私、窓辺のお姫様ね。オレは忍者部隊月光だ」とみんなの声。
「いえいえ、いまいったようにみんなで物語を作るんですよ。さあ、列ごとに紙を配るから、前から順番にお話を書いていってくださいね。どんなお話でもいいんですよ」
列といっても、なにせ十数人のクラスだから一列はたったの4人、私は一番後ろの席で、物語ができていくのを待っていた。
一人目、「魔法使いがいました。彼女は犬に化けました」
(ホントは全部ひらがなだけど、読みにくいので漢字です)
二人目、「魔法使いがいました。彼女は猿に化けました」
おいおいコピペじゃあるまじろ。
三人目、「魔法使いがいました。彼女は蛇に化けました」
うーん、どげんしたらええかのう、と考え出した展開は以下のごとく。
四人目、「そして三人は悪い魔法使いのいる洞窟へと向かい、犬は噛み付き、猿は引っ掻き、蛇は巻きつき、悪い魔法使いを懲らしめました、とさ。めでたし、めでたし」
ホントにあったお話です。いえあの、魔法使いの方ではなくて、授業の方ね。