60年代のお猿さんたち

 訃報が続く。
 デービィ・ジョーンズが亡くなった、という。あのモンキーズのメンバーだ。
 今の若い人はあまり知らないだろうけど、1960年代の一般の子どもたち(!)には、たぶんビートルズよりも人気があったと思う。
 そのメンバーの中でも、デービィはいわばカワイイ存在だった。マイクやミッキーがやや大人っぽくハスに構えていて、ピーターが神秘的なコメディアンであった対して、彼は純然たるアイドルの役割をはたしていた。
 60年代子どものメディアは、なんといってもテレビ。それが中学生になるとラジオへと移り、情報を取捨選択できる才能が芽生えてくる。
 しかし、小学生たちはただテレビの情報をインプットするだけだ。ビートルズの情報は、ラジオから流れていたから、彼らのところには、まずモンキーズが現れたことになる。もちろんそれは生情報ではなく「モンキーズ」というドラマを通してということになる。のちに「ヤァ、ヤァ、ヤァ、ビートルズがやって来る」(だっけ)を観たとき、「これ、モンキーズじゃん」と思ったけど、実はそれは順序が逆だったのだ。
 「デイ・ドリーム・ビリーバー」、「自由になりたい」、「モンキーズのテーマ」などのメロディが浮かんでくる。レコードを買ってはいないのに不思議だ。
 いま流れているコンビニのCMソング、「ずっと夢で見てたぁ、…・・・」(かな)も、そう彼らの曲なのである。
 でもやっとレコードが買える歳になると、モンキーズじゃなくて、例えばやはりビートルズってことになってしまうんだよな。