明日は散歩に行ってきます。

 311の前日に何を書くのか。
 さて、いっこうに思いつかない。
 メディアはまさに情報の津波だった。いや違う。それはNHKだけか。ふと民放にチャンネルを合わせたら、番組が30分ほどズレていた。野球中継のためだとか。ええっ、今の時期に野球などやっているのか、と思った自分のほうが、世間とはズレたようだ。
 しかし、とにかく、もう絆という言葉は聞きたくはない。それはまさにバラエティ番組の女の子レポーターが、何かを食べるときの「おいしい」や、なにかのグッズを見たときの「かわいい」と、ほぼ同じような消費のされ方をしている、と感じるからだ。
 ここまでいっちゃおしまいだが、それこそ絆に失礼だろう。
 絆という言葉をローマ字にして、LEDで節電にも貢献って感じで東京タワーにキラキラさせれば、それで良心的市民の義務は終わり、というのも止めてもらいたい。それを大々的にニュースにするのは、絆をバカにしているとしか思えない。
 そうそう、マスメディアを呼んで、被災者の鎮魂のために踊ったり、太鼓を叩いたり、お茶を点てたり、ってことをどうして311にやらないのだろう。それはパブリシティの基本の基本、実際の当日よりも前にイベントを行った方が、マスメディアへの露出率が高いからだ。
 いや、そんな他人の振りをとかやくいっても仕方ない。復興は進まず、放射能は漏れ続ける。明日はただ黙って都内を散歩してみよう。たぶん、これが一番いい、311の過ごし方だと思うから。