人間観察にうってつけの日

 ひさしぶりに近くの公園を散策する。ポケットにはいつもの小さな双眼鏡。そう、何度もここで書いてきたように、公園の隅のバード・サンクチャリでカワセミを探すのだ。
 現場に着くと、やはり双眼鏡を持ったおばさんが、たぶんそこで会ったとおぼしきおじさんと話していて、自然とその内容が耳に入ってくる。
 その会話はものの見事にかみ合っていない。
 おじさんはカワセミ観測のベテランのようで、いろいろとその生態を説明しようとするのだが、おばさんはおばさんで、今日は子どもが騒いでいるからダメだとか、自分はどんな苦労をしてここに来たかなどを伝えたいようなのだ。
 まあ、こういったディスコミュニケーションの事例は腐るほどあるが、目の前でそれが展開しているというのは、なんというか・・・・おもしろい。
 ということで、意外にも今日はバード・ウォッチングならぬ、ヒューマン・ウォッチングの日となってしまった。
 残念ながらカワセミは発見できず、くだんのバード・サンクチャリには、白い猫が一匹どこからか入っていて、そこはキャット・サンクチャリとなっていたのだった。