カイヅカイブキの膨らみ

 ツレの実家に行く。正月はみごとに不思議な風邪で撃沈していたので、申し訳ないが、年末以来である。ツレの甥っ子の結婚式や、私の贈賞式の写真を見たりして過ごす。
 その後は私の実家に寄る。といってもそこは今は無人になっている。仏壇近くに花をたむけて、線香を点す。
 ツレは手を合わせて、お彼岸に来られなくてごめんなさい、といっているが、その理由は理由にもならない私の忙しさだった。でも当人たちはそんなことは気にしていないだろう。そういったキャラは、なにより私が受け継いでいるのだ。
 夜、眠る前には必ず彼らのことを思う、別に決めているわけではなく、よほど疲労困憊していなければ、自然とそうなる。そのほうがいいと、勝手に思っている。
 家を出るとあたりは暗くなっていた。庭を囲う立ち木がはみ出していて、主のいないことを表している。早くシルバー人材センターに頼まなくては。