11人も、いる、わけ、とか。

 (昨日の続き)
 そうそう、なぜ私たちが大阪へ行ったのか書き忘れていた。
 酉島さんが『原色の想像力2』の刊行記念飲み会をオキシさんとやることしたら、それを聞きつけた松崎さんや高山さん、端江田さん、そして編集の石亀さんが来ることになり、さらにはゲスト選考委員だった堀さんが参加表明、それに私たち二人も混ざって、やがては堀さんが声を掛けたSF作家の田中さんや北野さんも、という次第なのです。短編賞関係者の磁力や恐ろしき。
 ちなみに私はそんな知らせを受けて、楽しそうだけど大阪は遠いなぁ、と二、三日は思っていたけど、そういえば、ずっーと前から太陽の塔を見てみたいと考えてたこと、それを理由にすればいいじゃん、で、新幹線代ぐらいでビジネスホテル付き一泊ツアーをネット検索すると、あるはあるは。
 ということで、ツレに「ちょっと大阪の飲み会に行って、ついでに太陽の塔も見てくるから……」と伝えたら、「なにソレ……」という返事で、結局……。恥ずかしくも金魚のフン同伴となってしまったのでした。
 という脚注を挟んで、宴の様子の続き。
 まず最初に石亀さんが取り出したのが、ポーランド語とロシア語の、とある言葉の綴りと発音のメモ。そう、私は高山さんの結婚祝いの席で、語学が堪能な石亀さんにそのことを聞いていたのだ。いやはやありがたい。これは役に立ちます。
 そして私は堀さんに、2月に行われた「日本SF評論賞贈賞式」の際の写真を何枚かお渡しする。と、堀さんからは音楽のお返し。私の短編のタイトルである「ものみな憩える」は、みんなが学校で習う「冬の星座」の一節なのだけど、ジャズの曲では「いつくしみぶかき」という題名で演奏されていて、そのCDを持ってきてくれたのだった。かなりアレンジされていし、周辺が話し声のるつぼ状態だったけど、その旋律は確かに「冬の星座」と同じ。意外な場所で旧友に出会ったようないい気持ちがした。
 高山さんは民俗学博物館に行ってきたばかりで、体中にクギが刺さった呪詛のための木彫りの人形とか、なぜかキンキラの南洋の島の葬儀委員長の衣装とか、「シンドバッドの大冒険」が日本の中近東イメージだとか、写真ともどもなかなかエグイ印象を語り出す。そう民博は基本撮影OKなんだよね。でもクギ人形の写真はなかったような。うーん、確かに撮れないよね、あれは。(ということで続きます。松崎さんお楽しみに)