遥かなる太陽の塔

(昨日の続き)
 しかしまあ、深夜というか未明の帰還と、二日酔いの朝食パスで迷惑掛けたわけだから、フェンディでのちょっとした目の保養にとやかくいわないことにした。
 しかし私はそんなマルが一つか二つ多い鞄のあれやこれやを見て回ることに、まったく関心がなかったので、ツレに語りかける店員の甲高い声を聴きながら、テーブルの上にあったiPadを触ってみた。
 恥ずかしながら初めてのiPad体験なのである。でも意外と簡単そうで検索からツイッターに入っていると、店員がどうぞこちらでご覧下さいと、椅子に案内される。そこでもiPadをいじくっていると、おじょうずですね、お持ちなんですか、なんて店員がいう。
 おっとここはアップル・ストアでもあったのか。いえ、初めてです、と愛想なく答えて、さらにいじっていると、酉鳥さんじゃなくて、酉島さんがたこ焼き屋さんにお礼のツイートをしている。礼儀正しい人だなぁ、とまだ二日酔いの残滓がこびり付いる脳みそが思う。アレ、私のツイッターのアイコンが太陽の塔ではなく、玉子になっている。あれれれ。
 ツレは店員の甲高い声にほだされて、あやうく私には信じられない価格の鞄を買いそうになっている。フェンディなら昨年買ったばかりではないか。そんなに鞄があるって、アンタはムカデか。
 で、どうにかこうにか、買わずに店を出る。目指せ太陽の塔だ。鞄を買いに大阪まで来たわけではないのだ。(ゴメン、続きます)