けっきょくグリコかよ。

(一昨日の続き)
 しかし眩暈に襲われつつよく見ると、それはあのスミレさんではなく(顔知らないし)、今未明制御不能に陥ったユー松壱号機じゃなくて(フィクションです)、そうそう皆の憧れ、第一回創元SF短編賞受賞者で在らせられる、松崎有理さんだったのです。
 はい、その14時間ぶりの再会は、42年ぶりの太陽の塔とのそれよりも感動に満ちて、両者ひしと抱き合う、ってことはなかったけれど、ちょっと声を上げたので、あやうく係員のお姉さんから注意を受けそうになってしまったのだった。
 しかしその自己回復システムの優秀さには驚くばかりである。そうか、スミレさん、じゃなかったオキシさん(第三回創元SF短編賞優秀賞)のホカロン攻撃が功を奏したのだな、と思っていると、「なんか朝起きてみると、背中にホカロンがあって……、いやぜんぜん覚えてないの」という(フィクション)。
 てなことで三人はお土産物コーナーへ。と、今までそれなりに静かだったツレのウルサイことといったらない。こっちもいろいろと自分やなにやらのお土産を、静かに物色していたら、もう閉館時間の5時である。ツレはでっかい買い物籠みたいなやつを買う。また荷物が増えてしまったぞ。
 民博を出ても、ツレのしゃべりはいっこうに治まらず、どーでもいいことをピーチクパーチク、さぞや松崎さんにご迷惑をお掛けしたに違いない。
 そんな中で、ツレは彼女と途中でどこかへ寄るなんて話をしていたみたいなのだが、わずかに二日酔いの残る頭で、帰途の方法を模索している私にそんなことは入って来ず、そのまま新大阪でバイバイしてしまうという、はたまた失礼千万の事態、重ねて申し訳なし。
 でも松崎さんは怒涛の締め切りを蹴飛ばしての大阪入りだし、引越し準備もたいへんだったしね。
 そんなことで、私たちは新大阪のホームに緑色の帽子とともに消えていくスミレさん(くどいよね)じゃなくて、松崎さんを見送ったのだった。そして私たちはなんばへ、なんとグリコの看板を見に行くのだ。なんだ両方とも両手を広げてるじゃないか。(続きます)