なくなった本が出てくるまで。

 ツイッターには書いたのだけれど、ここ数日、私の本棚でちょっとした騒ぎがあった。といっても、もちろん本が騒いでいるわけはなく、ただ私がうーむ、とか、むむむとと本棚を前にして騒いでいるだけなのだった。
 というのも、少し前にとある関係の資料を買い求めていたのだが、それらがあっちゃこっちゃ散乱していたので、ひとっところにまとめようと思ったのだが、それが間違いの始まり。
 どうしても一冊だけ見つからない。そんなに多い蔵書じゃないけど、一応自分なりに分類して収納しているので、いつも本探しは短時間で終わる。しかも今回もだいたい同じ場所に寄せておいたので、それは作業というほどのことではなかった、はずだったのだが、ない・・・・ない、のだ。
 かくしてまとめた十冊ほどの本は、おっぽりぱなしでその一冊の捜索活動が始まる。
 本をどけ、書類をどけ、ガラクタをどけても、それは見つからない。一時期に何冊かを注文したので、まだ到着していないのかな、とそのためのメモを見るが、ちゃんとバッテンが付いている。それでも、と思って送り状をめくってみると、やはりしっかり届いている。
 うーむ、と探すこと数日、もう疲れてしまったので、またアマゾンを見ると、かなり安いのが出ている。こりゃ探す労力よりもコストパフォーマンスがいいんじゃないか、とついついポチッとしてしまった。
 そして待つこと二三日で、その本は到着。こんなことしていていいのかなぁ、とその本を開くとやはり見覚えがある。
 そしてまたまた数日経過。何の気なしに何度も探した棚を見てみると、いなくなっていた本が、「どうも」って感じで、とても目立つ位置に、鎮座ましましていらっしゃったのだった。
 コイツ、きっと兄弟が欲しかったのだね。ちょっと背の色が違って見えるけど、それは日焼けのせいだよ。