網膜はく離とガッツポーズ

 昨日の続き。
 そして釣った桜の枝はかなり高いところだったので、少年は「獲物」を捕まえるために、というか釣り針を回収するために木登りを始める。いやはや。
 しかしこれがうまくいかない。観ているオジサンも手伝おうかと一瞬だけ思ったが、これは子どもたち同士で解説すべき事柄だと思って逃げる。
 しかし、それをほかの二人はサポートしないんだよなぁ。でも、いろいろと大げさになってから、ようやく一人が立ち上がって、彼の身体を支えたけれども、もう一人はプレイステーションかなんかを始める始末。おいおい。
 で、木登りの一人と支える一人、そしてPSをやっている一人で、それぞれ、ワッ、ギャッ、アチャとか奇声を上げている。
 釣り針が釣った桜の枝はずいぶんと高い場所らしく、今度は魚を釣り上げるときの網(開口30センチもありそうなやつ)を伸ばして、その枝を手元に引き寄せようとしている。もう漫画なのだが、そんな光景をよそに、PS少年はやはり一人で、ワッ、ギョエエと声を上げ続けている。のどかな昼下がりではある。
 私の隣の元気なご老人たちは、網膜はく離の話で持ちきりである。いずれも眼球医療の権威らしい。
 結局、桜の枝の釣果を得た少年は網の中の小枝や葉っぱを捜索しているが、どうやら釣り針を見つけ出せずにいるようだ。釣り糸は切れてしまったらしい。しきりに自分の運命をののしっている。すでにサポート役の少年はどこかへ行ってしまった。ゲーム少年は何かをクリアしたらしく、ガッツポーズを決めていた。