埋め草架空対談01
どうも、司会を務めさせていただくAと申します。今回はゲストに唯一の商業出版である短編「ものみな憩える」をお書きになったBさんをお招きし、やはり評論をちびっとだけ書かれたCさんからの質問にお答えいただくことになりました。ではお二人とも、よろしくお願いいたします。
C あ、はい、どうも初めまして、評論のようなものをちびっと書いたBと申します。今日はよろしくお願いします。
B こちらこそよろしくお願します。しかし何というか、初めてお目に掛ったように気がしませんね。
C 私もそう思います。でもそれを考えたら、実はAさんもなんですよ。だからそのあたりはちょっと置いておきませんか。
B はい、そうしたほうがいいみたいですね。
C ではさっそくこの作品「ものみな憩える」についてお話を進めていきましょうか。まずは物語の紹介を兼ねて、その展開に触れることにします。冒頭に西武池袋線の池袋駅が出てきますね。この描写で私が感じたのは、特急や快速、そして各駅停車といった運行の違いにそれぞれ人の人生をありようを表現したということなんですが。
B まあ解釈は自由ですが、たまたまその池袋駅がそうなっていたということですね。
C するとそれは京王線や小田急線の新宿駅や井の頭線の渋谷駅でもよかったと。
B いちばん記憶にあるのが西武池袋駅だっただけですよ。あすこは車両の両側にホームがある構造になっていますから。それにホームの一部が屋根に覆われていないので、ホームから空を見上げることができる。それもあとから考えるとポイントでした。
A しかし西武池袋駅を知っている人は限られていますよね。
C その限られている人のほうが面倒な存在だったかもしれません。架空の駅なら屋根でもホームでもなんとでもできるけれど、実在の駅だと嘘を書くことができませんから。
B 今日はオチがなさそうなんですが、それでいいですかAさん。
A 大丈夫ですよ。あまり期待されてはいませんから。それではこの続きはまた明日ということで。(続く)