埋め草架空対談04
A では日も改まったことですから、Bさんに昨日話題となった付け加えについてお話いただきましょう。
B あのあまり日が変わった気がしないんですけど。まあいいか。そうですね。これはそこまで書いて恥ずかしくないかな、と迷っていたことなんですれど、主人公が祖母のアパートへ行く道を見つけるきっかけになる場所で、腕時計を気にしながら自転車を漕いでいるおばさんに追い抜かれるんですが、その荷台に座っているのが、ウサギの耳付きブードを被った女の子で、彼女と主人公とは目が合うんです。
A あのすみません、意味がわからないのですが。
C まあ、わからない人はそのままにしておきましょうか。
B そうしましょう。ところでCさんはわかるのですか。
C もちろんです。それはイギリスの数学教師の……。
B 皆までいうことはないので、そのへんで。
A あのー、でほかには、なにかありますか。
B 小さなおじさんという登場人物を、宇宙博へ行ったことにしました。続編への布石です。
C で、その続編とやらはできているのですか。
B てへ、あのう、ほぼできてます。最後の詰めがまだなんです。
C それならこんなところに出てきてないで、さっさと書き上げてくださいな。
B しかし6月初めまでいろいろと手間取っていたのはCさんですよ。そのせいで脳みその構造がそっちに行ってたんですから。
A よくわからないことで揉めないでください。いずれCさんのことについてもお話いただく機会を持ちますから。
C そうですか。まあ、よろしくお願いしますよ。では、気を取り直して、Bさん他には付け加えたことがありますか。
B そうですね。最後に出てくる床屋の鏡をモニターにしたことですかね。これで鏡に映っているのは鏡像ではなく、正像ということになりました。これは実は以前SFファン交流会で、前に座ったときに、自分の姿がモニターに映っていたのを見たのですが、それが寸時の時差もあってとても奇妙だったんです。そこで未来的な意味も込めて、鏡をモニターに変えました。今から考えると、その時差をもっと活用すればよかったのかなと。
C それは例えばどういうことですか。
B あくまで例えばですが、主人公にそこで頷き返すけど、少しニュアンスが違うとか、あるいはモニターの自分はそれに応えないとか、いろいろと考えられますね。
A はい、では、今回はちょっと理解しにくいお話とか、どうもBさんとCさんの不思議な掛け合いもありましたが、今日はこのへんで。
C Bさんオチはないのですか。
B ありません。