二年ぶりの剪定。

 実家の小さな庭の剪定を、シルバー人材センターの方にお願いした。二年間ほどしていなかったので、猫の額もしっかりジャングルである。
 作業は朝の八時半から始めるという。何度かやった場所なので、立会いは特に必要ないようだが、午後から出掛けることにした。ちょうどクルマは車検に出していたので、電車である。
 一時少し過ぎに、途中でお茶と煎餅を買って到着。初老の職人が二人で作業していて、外に面していたカイヅカイブキはほとんど終わっている。
 着いたとて、何もすることはない。いつものように一階の窓を開けて空気を入れ替え、仏壇に線香を灯す。そしてソファで本を読み出す。
 しばらくすると二人のうちのリーダーらしき人から声が掛る。内側の木々や草花をどのくらい刈ったらいいのかという相談であった。ちょうどゼラニウムがたくさん花を咲かせていていたり、これから花をつけそうなアジサイも、とりあえず刈ってしまっていいと答えた。とにかくジャングル状態だから、それをまずなんとかする必要がある。それにどんなにキレイに花が咲いても、もうそれを愛でる人はここにはいないのだから。
 三時にお茶とお煎餅を出す。小さな濡れ縁で少ししゃべる。職人は当然だが草木の名前をよく知っている。
 五時少し前に作業が終わった。大きなビニール袋が20袋以上、まるで土嚢のように家の周りに並べられる。それを回収するトラックがやってくる。その作業を手伝う。袋はずっしりと重い。
 また家に戻って、庭を眺めた。すっきりとしている。すっきり過ぎるぐらいにすっきりである。あの二人ならこの光景を見て、なんといっただろうか。まあ、だいたいは想像できる。