埋め草架空対談14

C おっと、いねむりしたのね、になってしまった。アグネスでもアルマジロ
A それってジョークですか。断言しますが、誰もわからないと思います。
C いや、あなたにわかったもらえばそれでいい。で、なんだったっけ。
ソラリス論の続きです。
C あっ、そうそう。拙文はまた最後に至って、レムの本旨ともいえる人間中心主義批判をタルコフスキーがどう表現しているかを書こうとしたのだけれど。
A それがうまくいかなかったとかいってましたね。
C そう、そもそも彼にとって人間中心主義批判なんてどうでもいいことなんだ。いや彼こそが実は人間中心主義そのものではないのか、そのあたりを書ければと一瞬考えたのだけれど、改稿の締め切りが近づいてきたので、チラリと触れただけ。
 で、そのあとは、そもそもレムの表現したかったことは、彼が公式に論じていることと違うかもしれない、と進めていくのだけれど、それもあまり深めることはできなかった。これは「ソラリス」をちゃんと読めば、そう読み取ることも可能なのだけどね。
 そして疑念に思うのは、彼がどうしてロシア語版に序文を用意したのかということ。この小説はこんなことが書いてあります、なんて表現者にあるまじき行為だと思う。それもあのレムがやったんだから。そこに私はある意図を察したというわけ。
 このへんは戦後のポーランドの社会情勢の変化を含めて、今後のテーマにしたいと思う。かつてはほんの少し、九段下じゃなかった、グダンスクから始まった連帯の運動や、あるいはいわゆる知識層の動きも調べたこともあるのでね。
A なんかCさんしっかり起きちゃいましたね。それにしてもBさんだ。おーい、終点だよ。