埋め草架空対談15

B うーん、いや我が旅に終点はなし、ただあるのは通過点のみ。(むくっ)
A おや、Bさんがご起床です。やはり「終点ですよ」が効いたようです。
C 私はさすがに終点まで乗り越したことはないけど、Bさんにはそのときの記憶が刷り込まれているのかもしれませんね。
B よく寝た。いやそうではなくて、はい、深く考えてみましたが、私が独断と偏見で、宇宙開発はスカイラブで終わったといったのは、いちおうその段階で使い捨てロケットの時代が終わったと思えたからなんです。しかしこの使い捨てロケットという言葉、いつから使われだしたかわかりませんが、まさにトートロジーですね。ロケットなんだから使い捨ては当たり前で、その素人目に欠点と思える部分を乗っけることで、名誉を毀損しているわけです。
A Bさん、起きて早々熱いですね。
B そもそもロケットの魅力は、他の運動体と違って別の何かを必要としないことです。船や潜水艦は水、飛行機や飛行船は空気、自動車などは地面が不可欠です。また駆動システムの面で見てもしかりで、ロケットは唯一、何にものにも依らない推進機関なのです。この潔さこそが素晴らしい。なのにスペースシャトルは翼を持っている。これはロケットの栄誉を汚す恥ずべき行為です。
C お言葉ですが、スペースシャトルの場合、その翼は帰還に用いられるだけで、既存の往復システムのいわばパラシュートと同様のものではないのですか。
B うっ・・・・・・・。