埋め草架空対談18

B 引き続き私の勝手な思い込みだろうけれども、スペースシャトルの当初の企画者は、未来に幻想を抱いていたんだろうね。これもまた宇宙少年の幻想であったのかもしれない。使い捨てではなく、まるで旅客機のように何度も宇宙を往復できる機体を作ることはできないだろうかってさ。
C そのことについては、すでにお聞きしましたよ。
B はいはい、それで計画が始まったわけだ。そしてまず大きな間違いだったのが、その旅客と宇宙開発をセットにしてしまった点だ。つまりシャトルは、ダンプカーと高級外車を兼ね備えなることとなる。
A えっ、かなり奇想天外な意見ですが、それはいったい何なんですか。
B 奇想でも天外でもないさ。単純明快な話だよ。
 人を乗せるのならば、それなりの安全性や居住性、さらにはもちろん生命維持に関する、さまざまな設備をシャトルに附加させる必要がある。それとともに積載する砂利、じゃなかった荷物のためにエンジンは大きなものを必要とした。
 だからシャトルは運転手付きの高級ベンツの後ろに日野のトラックが一体化されたようなものなんだよ。この人間と荷物をいっしょに運ぶという夢想が、そもそもの失敗の元だと私は考えるんだ。(個人の感想です。)
C しかし確かソビエトでは、ミールのときに人員と荷物を別に運び込んで、かなりトラブルを起こしていますよね。
B 確かにミールの状況は惨憺たるものだった。でもそれはその考え方によるものではなく、国内事情がそのままそこに反映していたのではないのかな。そのソビエト自体が、乗組員が宇宙にいる間になくなってしまったのだからね。
A まさに屋根の上ったら、梯子を外されたみたいな。
C うーん、違うかなぁ。